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2018.07.09
シックハウス対策に有効な漆喰壁の特徴って?
主に新築の家などで起こるめまいや頭痛、湿疹、喉の痛みや呼吸器疾患などをシックハウス症候群と呼びます。
これは、家の壁などに使われている接着剤や塗料、合板、ワックスなどに含まれるホルムアルデヒドやキシレン、パラジクロロベンゼンといった化学物質が原因とされています。
また、カビや微生物などによる影響もあります。2002年には国が対策に乗り出し、建築物における衛生的環境の確保に関する法律、2003年には建築基準法をそれぞれ改正し、ホルムアルデヒドをはじめとする、建築物の化学物質使用の制限を行いました。
こうした背景から注目を集めているのが「漆喰壁」です。
実は、かつての日本家屋のほとんどが漆喰壁を使用して建てられていたのですが、漆喰を壁に塗る作業には大変高度な技術を要することやコストがかかることなどから、現在のようなビニールクロスを用いることが多くなったという経緯があります。
しかし、クロスを貼るための塗料などに含まれる化学物質の体への影響が心配される中、再び漆喰にスポットが当たるようになったということです。
では、漆喰にはどのような特徴があるのでしょうか。漆喰の主な原料は消石灰です。
消石灰とは、水酸化ナトリウムの別名ですが、さまざまな場所で採掘される石灰石に水を加えて熟成し、粉末状にしたものを言います。
これは、身近なものとしてこんにゃくの凝固剤として使われたり、化粧品などにも使われています。
この消石灰に植物の麻からできる麻スサや海藻の海苔などを混ぜて作られているのが漆喰です。
すべてが自然界の中にあるものだけを使っているために健康への影響も少なく、ほぼ無害と言われています。
その大きな特徴の一つが、呼吸をすることです。吸収性と放湿性に優れているため、結露を起こしにくく、カビやダニの発生を抑えることができます。これによりアレルギーなどが起こりづらいとされています。
また、漆喰壁はもともと防火対策として作られるようになったという経緯があるのですが、それが示す通り、漆喰は不燃性です。つまり万が一、火災になっても煙が発生しません。
現在のマンションなどでは火災の火そのものより煙に巻き込まれて逃げ遅れてしまうなどということも耳にします。
しかし、漆喰の場合には煙も有害ガスも発生しないので、火災などの対策としても有効と言えます。
さらに、漆喰には殺菌効果も期待できます。漆喰は強アルカリ性のため殺菌効果が高く、カビだけではなく、アレルギーを起こす原因となるさまざまな微生物などが発生しにくい無機質材料です。
こうしたアレルギー対策としても漆喰壁は注目度が高い壁材です。